天地明察/冲方丁

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)

ずっと気になっていてようやく購入。


江戸時代の碁打ち、渋川春海の人生を賭けた「勝負」の物語。
勝負と言っても、剣術の試合とか囲碁ではなく、相手はタイトルの通り天地。
刀は登場するものの、切り結ぶようなシーンは一切ない。でもなかなかアツくて面白い。「必至!」のシーンとかはすごく好きだ。
主人公の渋川春海は、前半は情けないシーンが多かったり、感動するポイントが僕とはあまりに違ったりでイマイチ感情移入できなかったものの、人生を積み上げた終盤は本当に格好良いです。
他にも、大事業を遂行するにあたって魅力的な登場人物が活き活きと描かれているのは痛快。


これを読んでからWikipediaとかで日本の旧暦のページなんかを読むとかなり面白い。
今は使われてない旧暦を作るのにも、これだけ多くの人の研鑽があったのだなぁ、と感慨深くなるものです。