天使の囀り/貴志祐介

『新世界より』が面白すぎたので、脳内貴志祐介フェア開催。未読作品を読んでみようと思ったのです。


グロ注意。書評サイトを見てみたりすると「しばらく肉を食べられなくなる」と書かれているからどれくらいグロいのかと思っていたら、方向性が違った。新しい方向性のグロ。「袋状の何か」とかやめてくれ。


主人公の恋人が、参加しているアマゾン調査ツアーの最中に奇妙な体験をするところから物語がスタートするのだけど、この序章からして既に不気味で、一気に惹き込まれる内容。その後に続く不気味な事件や、真相解明への筋道なんかは貴志祐介っぽさ全開で面白いものの、やっぱりこの手の「ある程度現実に即したオカルト」な作品は、オチがどうしてもスケールダウンしてしまう感が拭えない。物語の根本に関わる「犯人」については、この手の物語だと割と使い古された感はあります。
終章なんかもキレイに落としたものの、「いや、それはダメだろ」な内容ではあったし…。



あと、唐突にギャルゲーが出てきて、やたら詳細な内容だったから笑った。どう考えてもその章はそんな仔細に描写する必要はない。
「しんいちー」って言うと、僕の世代なんかはやっぱりミギーを思い出しますよね*1


普通に読めば充分に面白い作品ではあったものの、期待しすぎて読んでしまったので不完全燃焼感。

*1:ミギーが言うなら「シンイチ……」だけど