The Book 〜jojo's bizarre adventure 4th another day〜作者: 乙一,荒木飛呂彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/11/26メディア: 単行本購入: 15人 クリック: 158回この商品を含むブログ (274件) を見る

数年前から噂だけは流れていて超期待していた作品。
これは面白かった!小説なのにしっかりとJOJO!!読んでいる文章の背後から「ゴゴゴゴゴゴ…」って擬音が思わず聞こえてきそうな感じ。


で、完全に荒木JOJOテイストかっていうとそうでもなく、黒乙一な感じの悪趣味展開もあり、それが第4部のイメージととても合っていて非常に良い感じなのであります。吉良吉影こそ登場しないものの、こういうダークな側面こそ杜王町らしくて好きだなぁ。


シナリオは完全オリジナルで、乙一オリジナルなスタンドも登場。単純なパワータイプでもなく、第5部や6部のような意味不明な能力でもなく、とても一般生活には有用な能力で、この辺りもとても第4部らしくて素晴らしい。乙一の4部への愛情を感じます。


乙一の愛情は設定だけに留まらず、キャラ愛もしっかりと活かされています。
億泰を単なる噛ませ犬にしないのは良い!ディ・モールト(とても)良いぞ!!
クレイジーダイヤモンドやっぱり超強ぇぇぇぇ!とか、康一君や露伴先生の働きっぷりとか、乙一先生は読者の喜ぶツボを心得ている。大変ベネ(良い)。


あとは、JOJOリスペクトな小ネタもさらっと入っていたりするのがまた楽しい。
トニオさんの店のくだりとか、アンジェロ岩、エニグマの本とか。
パンの枚数の話なんかは、ちょっと吹いた。


と、ここまでベタ褒めしたのだけど、やっぱりJOJOをまったく知らない人には敷居が高いと思った。
スタンドの描写とか、ちょっとでも原作を読んだことがあれば分かりやすく書かれてるなー、と思うものの、「スタンド?何それ美味しいの?」な人からしたら謎な存在にしか思えないんじゃないかしら。
乙一好きでJOJO好きな人にとっては間違いなく素晴らしい体験をできるのでぜひ読むのをオススメします。