からくりサーカスがついに終わった

もう散々「長すぎる」と非難の雨あられをモノともせず連載が続いていたからくりサーカスがついに今週のサンデー本誌で最終回でした。ここ数週間の展開はちょっと打ち切り気味で、どうせここまで延命させてやったんだからせめて描きたいことは思う存分全部描かせてあげればいいのに、って思った。いや、放っておくと本当に好き放題に連載が続いてあと1年くらいは続いちゃうから切ったのかな。


以下、だいぶネタバレです。
今からこの作品を読もうと思っている人は、以降を読んだら後悔してしまうかもしれません。


藤田先生の最大の誤算は、伏線を全部消化し終わってからの展開が、伏線消化中と比べて圧倒的に盛り上がらなかったことと、読者がそれを厚遇してあげなかったことだと思います。
まあ、金・銀の過去編やサハラ砂漠編や正二の回想編は超絶面白過ぎたので、伏線を使わず「現在進行形の展開」だけでそれを凌ぐ内容はちょっと難しいと思う。『うしおととら』みたいに、一番大事な伏線は二つくらいラストに隠しておけば、読者の期待がもうちょっと続いたかもしれないのに。不憫な藤田先生。


個人的には、途中が面白かっただけに最後の尻すぼみ具合は物凄く残念。
だってマサルって宇宙まで行って結局何もやってない。フェイスレスの心変わりには全然説得力がないし、彼に止めを刺したのはディアマンティーナだし、「物凄い激戦を乗り越えてついにラスボスを倒した!」っていう感慨が全然ないままに終わってしまった。(でもラストのグリポンにはちょっと感動した。泣ける)
ナルミとしろがねの復縁(?)のシーンが萌えだっただけに、もう一つの最大の見せ場として盛り上がらなかったのは勿体無さ過ぎるよー!


あと、ナルミロボが生身に戻るのもちょっと強引過ぎる。そりゃ、あの状態で「しろがねといつまでも幸せに暮らしましたとさ」だとそんなに幸せそうに見えないけど。
あとあと、せっかく激戦を生き残った法安さんがエピローグで大往生してるのはあまりにも酷い。
あとあとあと、近日中に新連載を引っ提げてサンデー本誌に復帰らしいけど、藤田先生を待ち望んでいるサンデー読者はもうみんな大人になってしまっているので青年誌に行かないと、次は早期打ち切りの憂き目にあいそうで怖いです。でも藤田先生は和月先生同様に少年マンガに拘っているっぽいので、やっぱり打ち切られてしまいそう。