キノの旅IX -the Beautiful World-/時雨沢恵一

約1年ぶりの最新刊。全巻の終わり方が微妙に「区切りの話」っぽかったので、続刊されるか心配だったのだけど、無事発売されたようです。


で、内容は相変わらずで、ちょっと良い話やちょっと毒の効いた話が淡々と時雨沢節で書かれていて、これまでの巻が楽しめる人なら間違いなく楽しめます。
ただ、この巻は中編と言える長さの作品がなく、すべて短編ばかりの13編が収録されているので、全体的に微妙に盛り上がりの欠ける話が多いので、大味な感じは否めません。


あと、相変わらずあとがきが狂っていて、今回も好き放題のあとがきっぷりに爆笑しました。というか、わざわざあそこまでして読者の意表を突く意味がわからないというか、作者はあとがきを書きたいがために本編を書いているとしか思えない。
毎度毎度読者に「まさかこうくるとは」って思わせるのがあとがきっていうのは、物書きとしてどうなのだろう。