博士の愛した数式作者: 小川洋子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/08/28メディア: 単行本購入: 20人 クリック: 1,593回この商品を含むブログ (723件) を見る

全国書店の店員さんが選んだ「一番売りたい本」に見事選ばれた作品。
という触れ込みと、ネットでの評判がものすごく高かったので、つい買ってしまった。
文庫落ちを待とうとしていたのだけど、我慢できませんでした。


さんざんこれまで書いてきたように、僕は家族モノのお話に弱くて、この小説は家族モノではないのだけど、家族よりもずっと深い絆の話なワケで、当然のように感動できました。
メインの登場人物3人は、みんなとても温かくて、読んでいてすごくほのぼのとします。


で、内容の感想を書こうと思ったのだけど、この作品はミステリではないにも関わらずすごく書きにくい。ネタバレしてしまうから書けない、とかではなく。
冒頭から最後まで、主人公と博士とルート(愛称。主人公の息子)の3人が色々なエピソードを通じて段々と心を通じ合わせていくので、「どのエピソードが感動した!」とか「あの話が面白かった」と書いても、イマイチ良さが伝わらない。
たとえば「白い犬とワルツを」とか、それ系の感動といえば良いかも。


あと、理系の人よりも数学の苦手な人が読む方が楽しめると思います。
主人公が博士の出題した数学の問題を解くシーンが何度か出てくるのだけど、その度に試行錯誤する姿を見てイライラしてしまう僕は、物語の本質をわかっていないだけなのかもしれないけど、きっと同じように感じる人は他にもいると思う。