魔法飛行/加納朋子
- 作者: 加納朋子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2000/02/18
- メディア: 文庫
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本当は『ななつのこ』を薦められていたのだけれど、そちらは売り切れていて近所では手に入らなかったので、タイトルに惹かれたのもあってこちらを購入。
短編4話構成。
話としては、ほのぼのとしていて、とても良いです(4話目はあまりほのぼのとしていませんが)。ある短大生の日常(非日常?)が、面白おかしく書かれています。
で、その日常は主人公が小説を綴る形式が書かれていて、主人公が「?」と思う出来事が毎話あり、その小説について感想が送られてきて颯爽と疑問点を解消(解決)してしまう、微ミステリな構成になっています。
僕は、その「解決編」が微妙に嫌だったりしました。
解決編で書かれていることは至極当然であって、納得できる内容ではあるのですが、そこに至る伏線が弱すぎるというか、その真実を知ることによる感動があまり多くなかったのです。
あと、解決編の手紙の文体が、あまりにステレオタイプな推理小説の探偵口調なのも、せっかく本筋の小説パートに水をさしているような気がします。
とまあ随分とこき下ろしてしまったように見えますが、面白いことには面白いのですよ。もっと、主人公の日常に視線を向けた、ミステリ要素を含まない小説でも良いので読んでみたいなぁ、という気分にはさせられます。
うーん、この人の小説についても、凡庸な感想しか書けないんだよなぁ。
理由は伊坂幸太郎と同じなのだけれども。
既読の人には僕の現在の気分がわかるはず。