流星の絆/東野圭吾

流星の絆 (講談社文庫)

流星の絆 (講談社文庫)

ハードカバー発行時にとても評判が良くて、文庫落ちを待っていた作品。
期待を裏切らない素晴らしい内容。これは名作。特にラストシーンはこれまで読んだ東野圭吾の作品の中ではベスト。これだけスッキリした読後感の東野作品ってあまり無いんじゃないかな。


途中、少し腑に落ちないご都合主義的な部分はありつつも、よく組み立てられたストーリーと、ラストに向けての盛り上げ方が上手い。幼少時代に両親を殺された三兄弟が、徐々に事件の真相に迫っていく緊迫感が良かった。特に最後の100ページは止まらない。


以下、ネタバレなんだけど、この作品のラストシーンに関する嫁さんの解釈が素晴らしかったから書いておきます。
残念ながらミステリ的要素を求め過ぎた僕にはたどり着けなかった結論。



静奈が「血が繋がってない妹」っていうのはミステリ的に重要なファクターを持ってると思っていたら肩すかしだったから、どういう意味があるのかと文句を言ってたら、嫁さんが「血が繋がってなくても流星の絆で結ばれてるっていうのがメインテーマでしょ。だからラストシーンで同じ流星を見てた行成が絆に入ることに説得力が出るんだよ」と。これは深い。もともと凄く好きなラストシーンだけど、これを聞いてさらに素晴らしいと思った。