ハッピーエンドにさよならを/歌野晶午

ハッピーエンドにさよならを (角川文庫)

ハッピーエンドにさよならを (角川文庫)

久々に歌野晶午。ダークなオチを集めたオムニバス形式の短編集。
短編集ながらなかなか面白かった。さすがは歌野晶午の手腕といったところ。


ショート・ショート系はイマイチだったり、斬新さはない(まあ、短編だからそれは求めてない)ものの、『サクラチル』『死面』『防疫』『殺人休暇』あたりは良かった。『世にも奇妙な物語』とかで使われそうなテーマ。
『消された15番』とかは完全にギャグのレベルだけど、まあこういうのはアリだ。結構好き。
なにげにこれから人の親になる身としてはけっこう重いテーマの作品が多かったりして、なかなか怖かったりする。嫁さんにはちょっと刺激が強かったようだ。


数年後まで心に残る作品があるかというとそんなことはないけど、暇潰しとしては充分楽しめるレベル。
歌野晶午が好きならオススメ。