分身 (集英社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 集英社発売日: 1996/09/20メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 32回この商品を含むブログ (168件) を見る

久しぶりに東野圭吾。これも良かった!
東野圭吾はあんまりハズレを引くことがないから、安心して読むことができるなぁ。


二人の主人公のストーリーが交互に展開されて、後半に向かって二つの話が収束されていくという、『からくりサーカス』的なストーリー*1
プロローグ的な章で、いきなり強烈な事件が双方の主人公の身に振りかかって、その真相の解明に向かうところから始まるのだけど、相変わらず導入からしっかりと読者を引き込む展開で、だれることなく最後まで読み通せる内容。


ウチの嫁さんは「なんか投げっ放しなエンディングだ」とボヤいていて、確かにそうなのかもしれないけど、伏線はしっかり消化していたし、同作者だったら『秘密』や『容疑者X〜』の方がよっぽど投げっ放しなので、それほど酷いとは感じませんでした。
(とは言え、本当にラストの1ページは、何かのCMみたいになってしまっていて、少し滑稽だったけど)


1993年に初出の割には、少しも古臭さを感じさせない(と言うか、多分当時はかなり斬新であっただろう)内容で、今読んでもしっかり楽しめます。オススメ。

*1:って、この本の方が『からくり〜』よりずっと早くに刊行されているけど