ブレイブ・ストーリー/宮部みゆき

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

映画が話題になっているし、ハリポタ好きな嫁にもウケが良かろうと思って、暇潰しのつもりで買ってきたのが大誤算だった作品。しっかりと面白かったのだけど、映画から感じるポップさとは裏腹に、ムチャクチャ重くて辛い展開のストーリーだったので、読み終えるまでに物凄く疲れた。


主人公が幻界に渡るに至るまでの経緯や、その後の冒険、でもってエンディングなんかも、とてもそのままに映画化するのはちょっと夏休み中のお子様に観せるには刺激的なんじゃなかろうかと、余計なお世話的な心配をしてしまうくらいに原作は「大人向け」な内容になっています*1。そもそもが小学生には分からない概念や思想がいっぱいあって難しいと思う。


ライトでない分、世界観やキャラクター造りは非常にしっかりと出来ていて、さすがに1,000ページ以上のストーリーを読んでいく上で愛着が沸いて、終盤からエピローグにかけての展開は感涙モノでした。


ファンタジー小説だからと言って会社の同期には馬鹿にされたのだけど、決して読んで損はない作品。
是非是非オススメ。だけど疲れることは覚悟の上でどうぞ。

*1:CMを見る限りは、原作と映画で大分違う部分がありそうだけど