探偵ガリレオシリーズ/東野圭吾

探偵ガリレオ (文春文庫)

探偵ガリレオ (文春文庫)

予知夢 (文春文庫)

予知夢 (文春文庫)

各所で超絶に評判の良い『容疑者χの献身』を読もうと思ったら、どうやら連作の3作目だったので、今すぐにでも手に取って読み始めたい衝動を我慢しながら購入した1作目と2作目。
『容疑者χ〜』は長編だけど、この2冊は連作短編集。


基本的には短編ミステリのフォーマットに則りながら、草薙刑事が出会ったオカルトチックな事件(人体発火・デスマスク幽体離脱ポルターガイストなどなど)を、刑事の友人である物理学者・湯川センセイが科学的根拠を以って颯爽と解決する、ちょっと趣向の変わった作品がズラリ。
胡散臭さについて言えば、大槻教授のプラズマ理論とかをニヤニヤしながら読んでいた人には正にうってつけの内容。でも、各作品とも最後まで目が話せない、しっかり読ませる文章で、やっぱり東野圭吾は凄いと思ったのです。


とは言え、短いページの中で起承転結を作るのであれば、「作品のテンプレート化」は避けられないわけで、2冊目まで一気に読むとちょっと食傷気味でした。


まあ、綾辻行人の『時計館の殺人』を読むために、他の館シリーズ4作を読むような気分で取り掛かるのが良いです。期待して読むと気落ちが大きいものの、「読んで損した!」と思うような駄作ではないので。