マドンナ・ヴェルデ/海堂尊

マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫)

マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫)

海堂尊の最新文庫。
ジーン・ワルツ』のBサイド的な話。物語のもう一人の主人公、山咲みどりにフォーカスされた内容。


ジーン・ワルツ』が妊娠・出産の怖さや、それに対する日本の医療の取り組み方に問いかける内容だったのに対して、こちらは随分と情緒的な内容。「親」って一体なんなのだろう?と思わせる。曾根崎先生は酷い娘だな、とか思ったけど、これは自業自得だよなぁ、と思ってしまってあまり同情できないなぁ。主人公もいろいろ酷いけど、なんだか最終章でちょっと良い話的にまとまってうやむやになってしまった感はある。


海堂尊の他の小説と比べると見劣りするものの、『ジーン・ワルツ』を楽しんだのなら是非オススメ。