ダ・ヴィンチ・コード/ダン・ブラウン

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

嫁が休日暇そうにしていたので買ってきたら、2日で一気に読み終えてしまっていたので、よっぽど面白いのだと思って読んでみました。


確かに面白かったのだけど、日本でこれほど話題になったのはちょっと疑問。
一応、テーマであるキリスト教については、知識のない人でも読めるように一般論から書かれているのだけど、そもそもキリスト教への信心がまるでない僕にとっては、「一般論→でも実はその一般論は作られたもので、実際は××だったんだ!→な、なんだってー!」な流れを楽しむことがあまりできなかった。ので、終始眉に唾を付けながら読んでいました。でも、きっと敬虔なキリスト教信者の人にとっては「ふざけるな!」な内容なんだろうなぁ。*1
まあ、その辺を割り切ってしまえば、ミステリ・サスペンスとしてはしっかり面白いです。ちゃんと読者を驚かせる伏線を持った構成になっているし、息を付かせぬ早さでシーンが展開していくので、一気に読みたくなります。
暗号についても、ちょっと強引なものの、二重三重の意味でよく作り込まれていて関心させられる。
薀蓄・御託の多さや、急転直下の場面展開なんかをひっくるめて考えると、洋風京極夏彦作品といった感じです。


あと、個人的にはラストが不完全燃焼。嫁は納得していたのだけど、賛否両論あるんじゃないかな。

*1:実際、この本はキリスト教徒から相当叩かれたらしいし